今年の夏は去年の猛暑に比べると、少しマシに感じる夏でした。でもちょいちょい外に出て遊んでいると肌が焼けてしまって困ってしまった夏でもありました。
今月はちょっと時期はずれ??なんて思われるかもしれませんが食中毒についてです。
最近のニュースで大きく食中毒のニュースとして問題となったのは、焼肉えびすのO-111による死亡事故と、ガストで起きた赤痢の食中毒だと思います。飲食店で起きる食中毒を私達自身で防ぐことは難しいことかもしれませんが、家庭で起きる食中毒も油断してはいけません。家庭で起きた食中毒の死亡した例も報告されていますからね。
今回は食中毒予防の6つのポイントと、食中毒の事件発生数ベスト3と患者数ベスト3にランクインした3つの食中毒菌について簡単にまとめていきたいと思います。
まずは食中毒防止の6つのポイント
① 食品の購入
・食品の鮮度や消費期限などは必ずチェックし食品を購入する。
・肉や魚を購入した場合はビニール袋に入れるなどして他の食品に肉汁や魚の水滴がつかないようにする。
・温度管理が必要な食品はすぐに冷蔵庫・冷凍庫に入れるようにする。
② 家庭での保存
・冷蔵庫・冷凍庫に詰め過ぎないようにする。7割程度を目安にする。
・冷蔵庫内においても肉汁や魚の汁が他の食品につかないようにするためビニール袋や別容器に入れて保存する。
・冷蔵庫・冷凍庫内の温度管理(冷蔵10℃以下 冷凍-15℃以下)
・肉・魚・卵を取り扱うときは取り扱う前後の手洗いを徹底する。(もちろん石鹸を使って!!)
③ 下準備
・ 下準備前にはしっかりと手を洗いましょう
・ 作業の手順ごとにまめに手洗いをする。(調理器具も同じです)
・ 生で食べる野菜などに、肉汁や魚の汁がつかないように配慮する
・ 生の肉や魚を切った包丁でそのまま調理済み食品や生で食べる野菜や果物は切らない。一度洗って熱湯消毒をしてから!!
・ 冷凍食品は常温で解凍しない。また、使う分だけをレンジや冷蔵庫で解凍する。
・ 調理器具はきちんと洗浄し、包丁・まな板などは洗った後に熱湯をかけると消毒効果があります。ふきんは漂白剤に1日漬け込んでおくと消毒効果があります。
④ 調理
・ 加熱は十分に行うこと。(食品の中心温度75℃で1分以上・ノロウイルスは85℃以上1分以上)
・ 料理を途中でやめてそのまま放置しない。
⑤ 食事
・ 食事前には手を洗いましょう。
・ 調理前後の食品は常温で放置しない。
⑥ 残った食品
・ 残った食品を扱うときにも手を洗いましょう。
・ 残った食品を温めるときも十分な加熱を行うこと。
食中毒の予防三原則「つけない」「増やさない」「殺す」です。6つのポイントもこの三原則から成っています。
続いて昨年(平成22年)起きた食中毒の原因物質の事件発生数ベスト3は
1位 ノロウイルス
2位 カンピロバクター/ジェジュニ・コリ
3位 植物性自然毒
患者総数のベスト3は
1位 ノロウイルス
2位 サルモネラ
3位 カンピロバクター/ジェジュニ・コリ
になります。ノロウイルスは事件発生件数と患者総数ともに第1位になります。植物性自然毒が事件発生数第3位にランクインしていますが、植物性自然毒を除いた3つの食中毒原因物質について少し紹介します。
ノロウイルス
ノロウイルスは100個以下のウイルスが体内に入っても体内でウイルスが増殖し、人の体に悪さをする感染力の強いウイルスで、感染すると激しい嘔吐や下痢・腹痛の症状が出ます。予防方法としては、十分な加熱と二次汚染の防止です。ノロウイルスは感染者の吐物や糞便を介して感染しますし、強い感染力を持っています。それらの処理をする場合には、直接触れてしまうことのないように、マスクと手袋をしてからペーパータオルでふき取り、塩素系の漂白剤を使って再度ふき取ります。最後に水ふきをして、ふき取ったペーパータオル等はビニール袋に密閉して破棄します。
カンピロバクター/ジェジュニ・コリ
本菌はニワトリ・ブタ・ウシ・イヌや野鳥の野生動物などの多くの動物腸管内に分布している。臨床症状としてはサルモネラ症と似ているが、下痢はしばしば出血を伴います。原因食品としては鶏肉の検出率が多く、不十分な加熱によって食中毒が発生しているため、60℃、20分の加熱で菌は死滅するので十分な加熱がカンピロバクター食中毒の予防策になる。また、本菌は25℃以下では発育できないので低温管理も大切です。
サルモネラ
サルモネラ汚染は食肉・卵およびその加工品に多くみられ、感染菌量が100~1000個でも発生する。主な臨床症状は高熱を特徴とし、下痢・腹痛・嘔吐を伴います。サルモネラは少量の菌で感染するので二次汚染を防ぐためにも、使用後の器具類の洗浄・消毒を徹底的に行う。割卵後の卵は爆発的に増殖するので、溶き卵は直ぐに調理するか食べるようにしましょう。また、サルモネラは易熱性で加熱に弱いので、十分な加熱が予防対策になります。
今月の献立
(材料)
あさり 100g
サラダ油 小さじ1
にんにく 1g
酒 大さじ2
しょうゆ 小さじ1/2
ねぎ 5g
レモン 10g
① 塩抜きしたあさりをこすってよく洗っておく。
② 油を入れたなべに細かく切ったにんにくを入れてから火にかけ、香りがたってきたら①と酒を入れてなべのふたをする。
③ 2~3分ほどして貝の口が開いたら、しょうゆを入れて味を整えて最後に小口きりにしたねぎとレモンを飾ったら出来上がり。
オクラの豚肉巻き 147kcal 塩分0.9g
(材料)
豚もも薄切り 3枚(45g)
オクラ 3本(30g)
塩・コショウ
油 小さじ1
にんにく 1g
調味料 (しょうが 10g しょうゆ 小さじ1 酒 小さじ2)
① オクラは塩を少し振ってまな板で、板ずりをしてから沸騰したお湯に入れさっと茹でる。
② 冷ました①を豚ももで巻き、塩・コショウを少々振っておく。
③ 油をひいたフライパンに細かく切ったにんにくを入れ香りがたつまで炒める。
④ ③に②の巻き目が下になるようにフライパンにおき、全体に焼き色がつくように焼く。
⑤ 全体に焼き色がついたら調味料を入れ、全体に絡まったら出来上がり。